5/19に立教公民館、5/26にむぎカフェで、親子おえかき部(年中〜小学校低学年の部)、
5/26におえかき部桑名を実施しました。
テーマは「貝合わせ」。「貝覆い」とも呼ばれる、平安時代から伝わる遊びです。
貝合わせは蛤の貝殻を使います。桑名は日本でも有名な蛤の産地です。しぐれ煮や蛤料理、おいしいですよ!
蛤の貝殻をたくさん頂き準備しました。
貝繁本店さん、はまぐりプラザさん、むぎカフェさん、ご協力ありがとうございました。
貝の下処理として、本来は生の貝殻を地中に長い間埋め、腐らせた後掘り起こし、薬品で処理し磨くそうです。
全国から、美術工芸品や和菓子などで使う蛤の貝殻を求める方が、桑名にいらっしゃるそうです。
今回は、焼き蛤や料理に使った後の貝殻を主に使用しました。
洗って煮沸、蝶番や残った貝柱等を落とし、天日干し、貝殻の膜は今回はむかずに自然に近い姿で使いました。
貝合わせの貝のことを「合わせ貝」と言います。
美術品としての「合わせ貝」は金箔や日本画の画材を使ってあり、とても美しいですが、
おえかき部では、気軽に作って遊んでみたいと思いましたので、家でもできるような手順で下処理し、
画材もアクリル絵具、ポスカなど耐水性のペンや油性ペン、和紙やシールなど、身近なものを使用しました。
画材店、文具店、100円ショップ等で材料を揃えました。
以下、家でもやってみたい部員さんのために、今回の流れを記しておきます。
煮沸消毒後の下塗りです。
貝殻は火を入れると割れやすくなるそうですので、部長宅で3層下地を塗り、強度をあげました。
簡単に作る時はこの手順は省いて下さい。
こちらは下地を塗る前↓
一層目はジェッソ↓ 見た目はほとんど変わりません。
二層目はアクリル絵具のイエローオーカー↓
金の絵具は半透明で透けることを教えて頂きましたので、色下地を塗りました。
金の二層塗りでもいいかもです。また下地剤を使用するやり方もあるそうです。
三層目は金のアクリル絵の具↓ ライトゴールドとディープゴールドを塗ってみました。
ライトゴールドの方が、金箔に近い色味でした。もっと磨いてツルツルにしてもいいかもしれません。
ポスカの金色やラッカーで塗装するやり方もあるそうです。
これで下処理は終わりです。金色が入るとワクワクです。
いよいよここからみんなで貝におえかきして作って遊びます。
気をつけるのは、貝の組み合わせを間違えないことと、左右同じ絵にすることだけで、
描く内容は自由にしました。
ちなみに昔の合わせ貝の内側には、源氏物語や百人一首、草花、動物、身の回りの物などが描かれました。
シールを貼ったり、ペンで描いたり、
和紙を型抜きして糊で貼ったりしました。
ニスを塗ると仕上がりが良くなるそうですが、会場の都合上割愛しましたので、
つやが欲しい部員さんは、家でスプレーニス等を施して下さい。
油性ペンは大丈夫でしたが、アクリル絵の具にポスカで厚塗りすると割れましたので、
薄塗りか、ベースを代えた方がいいかなと思いました。また研究します。
シールがはがれてきた方は、糊、ボンドなどで補強して下さい。
大人の部では、ご持参頂いた、お家の合わせ貝を見せて頂いたり、
かわいいクッキーの差入れを頂戴しながら、和やかに制作。
むぎカフェのオーナー保田さんと店長さんも一緒に参加してくれました。
facebookにも、貝合わせの様子をアップして下さいました。
そしてこんなにかわいい「合わせ貝」ができました!
作った後は遊びます。様々な遊び方があり、本来は360個で遊ぶそうですが、おえかき部流でやってみました。
「地貝」と呼ばれる貝を人数に合わせて円に並べ、「出貝」と呼ばれる貝を真ん中に置きます。
「出貝」と同じ柄の「地貝」を選び、袖口でカチリと合わせられたらご名答!
その時初めて絵柄を見せて確認します。
1人ずつ順番に行ない、最後に合わせた貝を多く獲得した人が勝ちという遊びです。
白熱して泣いちゃう子もいたけど、泣く程一生懸命になって遊んでくれたことに感動しました。
一生懸命遊ぶ子は、作るのも一生懸命で、とても丁寧に作ってステキな貝が出来ていましたよ。
どんなに形や色が似ていても、ペアじゃないと絶対に合わない蛤は、和合の象徴として、結婚を連想させ、
合わせ貝と、貝を入れる貝桶は、江戸時代には大切な花嫁道具だったそうです。
遊び方・作り方・歴史等は、徳川美術館や桑名市博物館の学芸員さん、貝増さん、
水谷先生に教えて頂き、インターネットの情報も参考にしながら、プリントを作成しました。
貝合わせについて、何も知らなかった部長の伊藤ですが、
みなさんのおかげで楽しく貝合わせができました。お世話になりました。
参加の部員さん、撮影や待機・送迎にご協力頂いた皆様もありがとうございました。
以上、初めてのおえかき部流「貝合わせ」のレポートでした。
6月のおえかき部桑名と年中〜小学校低学年の部のテーマは「梅雨」です。
開催日時のご案内はこちらでご確認頂けます。ご参加お待ちしています。